レンズシャッター式折り畳みカメラ
レンズの部分にシャッターが組み込まれているカメラである.ものによってはレンズ交換ができるものもあるが,ほとんどのものではレンズが固定されていて交換できない.今回紹介する5機種の中では,レチナ IIIc が前玉を交換することで 35mm と 80mm に変更することが出来るが,距離計が連動しないため使い勝手は良いとは言えない.
コンタックスTを除く4機種は蛇腹を用いており,シャッターはシンクロコンパーか,それに近い形式のものである.これは外径がかなり大きいため,レンズが沈む部分を大きくあける必要があるためにどうしても小型化には限界がある.中ではレチナ IIa が最も小さい.アルコ,レチナ IIIc, ヴィテッサでは,縦横比の違いがあるが,全体としては大きさと重量に大差はない.
コンタックスTは電子式シャッターを用いているために沈み込むレンズの部分が圧倒的に小さく,また豊富な機能(自動露出やセルフタイマーなど)は電子回路技術のために高度に集積化されているため,全体も非常に小さくなっている.他に露出計が備わるのはレチナ IIIc であるが,この露出計はシャッター速度と絞りに連動しない.ヴィテッサにもほぼ同じ大きさで露出計が内蔵されたモデルがある.
重量も,コンタックスTの 270g が圧倒的に軽く,次に IIa の 530g. 他の3機種は 650g 前後で大差はない.
ピント合わせは,レチナとコンタックスはレンズの部分で行う形式であるが,コンタックスは操作部が小さくやや操作しづらい.そのかわりレチナは無限遠に合わせなければ畳むことが出来ない(コンタックスはいつでも畳むことが出来る).アルコは左手側のノブで,またヴィテッサは右手側のノブでピント合わせを行うが,沈胴式カメラは一般に出来るだけレンズの部分に手を触れたくないので,この種の方式は安心して扱うことが出来るという利点がある.
巻き上げは,レチナ IIa とアルコがトップレバーであるため最も使いやすい.コンタックスは背面にレバーがあるが,これも巻き上げ角が小さく扱いやすい.ヴィテッサのプランジャーも意外と扱いやすく,ホールドしたまま巻き上げられるので具合がよい.反対に扱いづらいのはレチナ IIIc だ.どうしてもホールドが不安定になる.
レンズは,古い4機種はどれもF2クラス(アルコは F2.4)と明るく,5から6枚構成となっていて性能も高い.どれも 50mm レンズだが,この手のカメラは一般に寄りに弱いため広角レンズよりも汎用性がある.なおアルコはなんと 35cm まで距離計が連動するというものだが,どうしても視差や測定方法の問題があるので,一眼レフのようにピントを精密に合わせるのは難しい.コンタックスは 38mm F2. 8 と広角寄りで暗いが,距離計を用いずに目測で使えるシーンがより広い.
まとめると以下のようである.
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